
マンションを探していると、「最上階」や「角部屋」といった言葉に惹かれる方は多いのではないでしょうか。私自身もそのひとりで、ついに念願だった“最上階角部屋”に引っ越しました。
けれど、決めるまでの間はひたすら検索の日々。
来る日も来る日も「最上階角部屋 暑い」「角部屋 音うるさい?」「最上階角部屋 東側?西側」などと、ネットで体験談を調べまくっていました。
この記事では、最上階角部屋に現在進行形で住んでいる私のリアルな視点から、
「メリット」と「デメリット」を本音でお伝えします。
これから購入や賃貸を検討している方に、参考にしていただければ嬉しいです。
マンション最上階角部屋に住んで感じたメリット
眺望が圧倒的に良い

最上階角部屋の一番の魅力は、やはり「眺望の良さ」です。
高層階で周囲に遮るものがないため、空が広く感じられ、晴れた日には遠くの山々や夜景まで一望できます。
実際、私の部屋からは天気が良ければ遠くの街並みまで見渡せて、その景色に毎朝癒されています。人によって価値観はさまざまですが、私は何年経っても外の景色を眺めるのが好きで、「ここに住んでよかったな」と感じる瞬間でもあります。
また、角部屋ならではのメリットとして窓が多く、室内がとても明るく感じられるのも大きなポイント。
リビングでのんびりしているだけでも開放感があり、まるでリゾート地にいるような気分になれることも。毎日の生活に“特別感”を求める方には、ぴったりの住環境だと思います。
生活音が少なく静か
私が最上階角部屋に引っ越して、最初に「これは快適だ!」と強く感じたのが、音の静けさです。
上階がないため足音が響くことがなく、角部屋なので隣接する住戸も少ないぶん、隣人の生活音もほとんど気になりません。
特に夜間、下の階の話し声や生活音が聞こえてくることもなく、静かな環境の中でぐっすりと眠れるのは本当にありがたいポイントです。
音に敏感な方や、静かな空間で暮らしたい方にとって、最上階角部屋は非常に魅力的だと感じます。
さらに私の部屋は、エレベーターから一番遠い位置にあるため、玄関前を他の住人が通ることがほぼありません。人の往来が少ないのでプライバシーも守られ、静けさだけでなく「落ち着き」や「安心感」も得られています。
ただし、意外な盲点もありました。
それは、線路や電車の音が意外と聞こえてくること。
実はこれ、低層階(2階建ての戸建て)では周囲の建物が壁となって音を遮ってくれるていたみたいなのですが、
高層階になると周りに遮るものがなく、音が上のほうまで届きやすくなるのです。
実際、引っ越し当初は「こんなに電車の音って聞こえるんだ」と驚きました。
とはいえ、人間の順応力はすごいもので、2週間も経てばその音も全く気にならなくなります。
今ではその電車の音は全く耳に入らないレベル。
車道の音など、多少の外部音はありますが、それ以上に「生活音がほぼゼロ」という静けさのメリットの方が断然大きいと感じています。
日当たり・風通しが抜群
角部屋ならではの大きな魅力が「2面採光」と「風通しの良さ」です。
周囲に遮る建物がないため、日当たりの良さはまさに格別。
以前、私は1面採光のマンションに住んでいたことがありますが、そのときと比べると、光の入り方がまったく違います。
現在の住まいでは、朝はリビングに柔らかな日差しが差し込み、午後には風が窓を通り抜けていきます。夏でも窓を開けていれば自然の風だけで涼しく感じられ、クーラーを使わなくても快適に過ごせることもあります。
また、夜は北側の部屋で寝ていますが、扇風機を軽く回すだけで快適に眠れるほど空気がよく流れます。
さらに冬場も、太陽光がしっかり室内に入るため、日中は部屋が自然と暖まりやすく、暖房の効きも良好。
洗濯物も夏も冬も、割とすぐに乾くので、家事効率もアップします。
プライバシーの高さは想像以上だった
最上階角部屋に住んでみて感じた大きなメリットのひとつが、「プライバシーの守られ方」です。
まず、上の階がないので上階の足音が気にならないのはもちろん、角部屋なので隣接する部屋も少なく、生活音や視線が気になることが本当に少ないです。
そして私の場合、これが本当にありがたいんですが
カーテン、ほぼ開けっ放しなんです。
ズボラな私にピッタリです。
日中はもちろん、夜も基本的にレースカーテンも閉めていないことがほとんどで、常に外の景色が見える状態。目の前に他の建物がないから、人の視線を気にせず生活できるんです。
これが想像以上に快適で、部屋全体が開放的に感じられるし、何より常に景色が見える暮らしって、ちょっとした非日常感があって最高です。朝は空が明るくなるのを感じて目が覚めて、夜は夜景や月を眺めながらぼーっとする時間も楽しめます。
最上階角部屋に住んで感じたデメリット
夏は暑く、冬は寒い 結露が!
最上階角部屋は、屋上直下という立地の特性上、夏は直射日光で室内がとても暑い! と、引っ越し前に散々ネットで読みましたが、
実際に住んでみると、確かに暑いんでしょうけど、
実際に私の部屋では、真夏にエアコンを切っても室温は最大32度程度。
平均すると30度前後なので、「住めないほど暑い」という印象はありません。
ただし、東側の角部屋ゆえに外気に面している壁が多く、特に隣室がない側の壁は日差しをまともに受けるため、午前中はめちゃくちゃ暑いです。
そして冬。こっちの方が意外と大変です。
外に面した壁から冷気がじわじわと伝わってきて、暖房を入れていても底冷えする感覚があります。
特に北側の部屋や、窓が多い空間は、冷え込みが厳しく感じられます。
角部屋は外気に触れる面積が多いため、どうしても冷暖房の効率が落ちやすいのです。
さらに冬に特に困ったのが「結露」。
外気に面した角部屋側の窓では、暖房を強めにすると窓ガラスがびっしょり濡れるレベルで結露が発生します。
寒い → 暖房を強める → 結露がひどくなる……という無限ループに悩まされることもありました。

したがって、最上階角部屋を選ぶ際には、断熱性能の高さがとても重要です。
具体的には、天井や壁の断熱材の有無、二重サッシの採用、遮熱・断熱カーテンの設置などをしっかりチェックしましょう。
これらの設備の有無によって、季節ごとの快適さが大きく変わります。内見の際には「部屋の向き」や「窓の数」だけでなく、「熱のこもり方」や「冷え込みの強さ」も意識して確認しておくことをおすすめします。
なお、中古マンションを購入する場合には、可能であれば前任者(売主)に「夏はどのくらい暑いか」「冬場の結露はどの程度か」など、実際に住んでいた人の声を聞いておくとより安心です。
また、分譲マンションは、建物全体の規約によっては窓ガラスを勝手に変更することは難しいケースがほとんどです。
ペアガラスへの交換なども自由には行えないため、我が家では内窓をDIYで設置して断熱性を高めています。
▼ 内窓DIYに関する詳細はこちらの記事をご覧ください
【実例あり】マンションに内窓をDIYで設置して断熱・結露対策した話
エレベーターが使えない日は想像以上にキツい
高層階に住むうえで避けて通れないのが、エレベーターの停止問題です。
私のマンションでは、年に1回〜2回ほど点検があり、そのあいだ3〜4時間ほどエレベーターが使えなくなります。
10階以上を階段で上り下りするのは正直かなりキツいです。
外出の予定があるときは事前にスケジュール調整したり、買い物をまとめたりする必要があります。
また、エレベーターが使えない日に限って「忘れ物した!」なんてことになれば、地獄の再来です。
ただ、こういった日があることで時間に余裕を持って行動するクセがついたり、生活にちょっとした慎重さが生まれるようになったのも事実。
また、エレベーターに乗るときや、エレベーターを待っている間は、
深呼吸する、軽いストレッチをするなど、自分なりの小さなルーティンを決めて、待ち時間を前向きに活用するようにしています。

災害時のリスクと備えは不可欠
最上階角部屋に住んでいて、普段は快適そのものですが、「もしも」のときのリスクも頭に入れておく必要があります。
たとえば停電や地震などの非常時、高層階というだけで不便が一気に増すのは事実です。
停電になると当然エレベーターは停止します。
私のマンションでは幸い、5年以上住んでいて一度も停電は経験していませんが、
もし発生すれば10階以上を階段で上り下りすることになるのは避けられません。
食料や水、懐中電灯などの備えはしっかりしておく必要があります。
また、地震が起きた場合の揺れ方も、最上階だとかなり強く感じると言われています。
私自身が経験したレベルの地震では家具が倒れることはありませんでしたが、建物の構造や耐震性によっては、揺れが大きく感じられることもあります。
家具の転倒防止や非常用持ち出し袋の用意は欠かせません。
さらに、水圧の問題もゼロではありません。停電時にはポンプが止まり、水やトイレが使えなくなるケースも考えられます。マンションによっては非常用の給水設備があるかどうかも事前に確認しておくと安心です。
最上階角部屋は、日常の快適さにおいては申し分ないのですが、非常時の行動計画や備えをしておくことは、ほかの階よりもより重要になってくる!と思ってます。
それが住んでみて感じた率直な実感です。
風・雨の音が思った以上に響く

住んでみて気づいた意外な盲点が、「風」と「雨」の音の大きさです。
最上階かつ角部屋という構造上、強風がダイレクトに壁や窓に当たるため、風が強い日にはまるで地響きのような「ゴォーッ」という音が鳴り響きます。
特に台風の日は、壁に風がぶつかる音が体に伝わってくるような感覚です。
また、大粒の雨がバルコニーの手すりや窓に叩きつける音も想像以上で、過去にはその音で夜中に目が覚めたこともあります。
ベランダ通路に置いてるものは片付けないと、本当に危険です。
玄関ドアも、風の強い日は開閉時に一気に風を受けてバタン!と勢いよく閉まることがあり、注意が必要です。それを加味して、ドアのクローサーがキチンと機能してるかどうかは要チェック(上の降り曲がった部分)
建物の外廊下に出るとさらに風が強く感じることが多いです。
夏は涼しくて気持ちいい反面、冬場はエレベーターを待っている間が極寒ということも珍しくありません。
また、洗濯物関連も要注意です。
布団をベランダに干すのは当然NGとして、普通の洗濯物もきちんとピンチハンガーや洗濯バサミで固定しておかないと、風で飛ばされる危険があります。
とはいえ、こうした強風や豪雨の日は毎日あるわけではありません。
少しずつ慣れてきますし、対策さえしておけば大きな問題にはなりにくいです。
最上階角部屋を選ぶ前にチェックすべき5つの注意点
最上階角部屋を選ぶ際には、住んでから「思っていたのと違った…」と後悔しないために、以下のポイントを事前にしっかり確認することが重要です。
① 断熱性・気密性
まず注目すべきは「断熱性・気密性」です。夏の暑さ、冬の寒さに大きく影響するため、内見時に日当たりや風通し、窓の構造などを実際に体感することをおすすめします。壁や窓を触ってみて、外気の熱や冷気を感じやすいかどうかも確認ポイントです。
② 部屋の向き(真南がおすすめ)
部屋の方角も重要です。とくに「真南向き」は、日差しが部屋全体にバランスよく入り、冬でも室内が暖まりやすいメリットがあります。これが斜めの角度(日の入りが限定的な東南や南西など)だと、日照時間が短くなったり、一部の部屋だけが暑くなったりと、住環境に偏りが出てきます。
③ エレベーターの数・非常階段の位置
高層階ならなおさら、エレベーターの数は重要です。1基しかないと、点検時や混雑時にかなり不便を感じることがあります。非常階段の位置も必ず確認し、いざというときに自分の部屋からどのくらいの距離かを把握しておきましょう。
④ 上下左右の住戸の構成
角部屋といえども、どの面に隣接住戸があるかは物件によって異なります。たとえばリビングや寝室が隣と接している場合、生活音の影響を受ける可能性があります。隣接する部屋の配置図や建具の仕様(防音性能など)も確認しておくと安心です。
⑤ 建物構造・窓の性能
建物の構造が「鉄筋コンクリート(RC造)」なのか「鉄骨造」や「木造」なのかによって、遮音性・断熱性は大きく異なります。また、サッシの性能や窓の断熱性(二重ガラス・内窓の有無など)も、快適さに直結する要素です。
これらのポイントを丁寧に確認しておくことで、入居後の「しまった…」を減らし、満足度の高い住まい選びができるはずです。
東南角部屋と南西角部屋を比較!違いと選び方のポイント
南向きの部屋でも、角部屋になると「もう一方の窓」がどちらを向いているかによって、住み心地がけっこう変わってきます。私自身も、東南角部屋か南西角部屋かで迷ったことがありました。
東南角部屋は、朝の光がたっぷり入り、午前中は非常に明るくて爽やかな印象です。
風も朝からよく通り、1日を気持ちよくスタートしたい方にはおすすめです。
ただし、午後になると日差しが入りにくくなるため、冬は冷えを感じやすいこともあります。
南西角部屋は、午後から夕方にかけて日差しがガンガン入るので、冬はとても暖かく快適です。
ただし、夏場は「西日」がかなりキツく感じられ、遮熱カーテンやエアコンの稼働が増える可能性があります。
どちらが良いかは生活スタイルや優先したい時間帯によります。朝型の人は東南、夜まで部屋が明るいほうが好きな人は南西、といった選び方がおすすめです。
どちらが良いかは生活スタイルや優先したい時間帯によります。朝型の人は東南、夜まで部屋が明るいほうが好きな人は南西、といった選び方がおすすめです。
ちなみに、私の住まいは東南角部屋なのですが、ごくまれに真っ赤な月が昇る夜があって、それがベランダから見えるときは本当に神秘的な気分になります。
こういう瞬間があると、「東向きでよかったな」としみじみ感じます。
とはいえ、西側の夕陽が部屋に差し込むあの幻想的な時間にも密かに憧れはあります。
朝陽のすがすがしさとはまた違う、ドラマチックな光の入り方——どちらも魅力的で、「どっちにしよう…」と悩む気持ちはとてもよくわかります。

最終的には、自分が1日をどう過ごすか、どの時間帯を心地よくしたいか。その答えが、ベストな角部屋の方角を決めてくれるのだと思います。
最上階角部屋はこんな人におすすめ!向いている人・向かない人の特徴
〇 向いている人
- 景色や開放感を重視する人
- 静かな住環境を求める人
- 日当たり・風通しを重視する人
- プライバシーを確保したい人
- 夏・冬の温度差に柔軟に対応できる人(断熱・空調対策に抵抗がない)
× 向かない人
- 災害やエレベーター停止時の不便さが不安な人
- 上下階の移動にストレスを感じる人
- 雨風の音に敏感な人
- 夏の暑さ・冬の寒さに敏感な人
- 築年数が古いマンションを検討している人(断熱性が低い傾向)
もちろん、住まいに何を重視するかは人それぞれです。
あくまでこれは私自身の体験に基づいた一例として、参考にしていただければと思います。
価値観は人それぞれ。
完璧な住まいなど存在しないからこそ、「何を重視するか」によって、最上階角部屋が天国にも、ストレスにもなり得ます。
それでも私は
どんなデメリットがあっても、あの見晴らしと開放感は何にも代えがたいと感じています。
もし引っ越すことになっても、また最上階角部屋を選びたい。
できることなら次は西側の角部屋で、高機能の二重窓つきの住まいが理想です。
夕陽の差し込む部屋で、今度はどんな景色が見えるのか!想像するだけで、またワクワクしています。