
「ヒッチハイク」と聞くと、映画や小説のような“偶然の出会い”や“旅のロマン”を思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし、実際にヒッチハイカーを車に乗せるという行為は、リスクと隣り合わせです。私自身、これまでに2度、見ず知らずのヒッチハイカーを車に乗せた経験があります。1度目は海外、2度目は日本国内。どちらも結果的には良い思い出となりましたが、思い返すと「もしあのとき…」とゾッとする場面もありました。
この記事では、私の実体験をベースに、ヒッチハイカーを「乗せる側」の視点から見た危険性や心得をお伝えします。また、「乗せてもらう側」にも知っておいてほしいポイントをまとめました。ヒッチハイクに対して少しでも興味や不安を抱いている方の参考になれば幸いです。
ヒッチハイクって乗せるのは危険?実体験から感じた不安とその理由
ヒッチハイクをする人を見ると、「困っているなら助けてあげたい」と思う反面、「でも、危なくないかな?」という感情も同時に湧きます。
実際、車に知らない人を乗せるというのは、自分の空間に“まったくの他人”を迎え入れるということ。しかも一度走り出してしまえば、簡単には引き返せません。
私がヒッチハイカーを乗せたのは、どちらも「偶然」の出会いから始まりました。そのときの気持ちは、好奇心とほんの少しの勇気、そして少なからぬ不安が入り混じっていました。
大前提として、「いい人そうに見える」=「安全」ではないという意識を常に持つことが必要です。
【体験談①】ニュージーランドで出会った謎の青年
2017年、ニュージーランドを息子と旅していたときのこと。夜中にドライブしていた私たちは、道路脇に立つ若い少年を見つけました。ダンボールに何かを書き、ヒッチハイクをしている様子でした。
車を止めると、彼は一目散に走ってきて満面の笑顔。「これは絶対に乗せてくれるでしょ!」という雰囲気を全開に出してきました。私たちも暇だったので「まあ、乗せてみようか」と軽い気持ちで彼を乗せることに。
目的地を聞いたのですが、なにせこちらは旅行中で土地勘が全くありません。そして、聞いた地名も「なにそれ?」っていう謎の単語。
それで、Googleマップで目的地を確認し、名前や年齢(たしか17歳か18歳)も尋ねました。
「高校生?」と聞いたら「もし行ってたらね」と。つまり、学校にも行っていないらしい。彼の荷物は段ボールいっぱいの私物。凄く謎めいてました。
目的地は1時間以上かかる山奥だったため、「途中まででいい?」と聞くと、「どこでもいいよ」と答えてくれました。
彼はどこか酔っているような、言葉も不安定な様子。
そして何より気になったのが、車内に広がった“何とも言えない香り”。
香水かと思って「その香水の名前、教えて!」と何度も尋ねたのですが、彼は「香水なんてつけてないよ」と否定。
結局、真っ暗な山の中で彼を降ろし、息子が記念撮影をしたのを覚えています。

その後、帰国してからニュージーランド出身の知人にその香りについて話したところ、
「あの国では、特有のハーブの香りを使うこともあるみたいだよ」と教えてくれました。
私はそのとき、「もしその香りが服や荷物にうっすら残っていたら、空港などで何か誤解を受けることがあったかもしれない」と思い、少し冷や汗が出ました。
もちろん、実際には何も起こらなかったのですが、旅先ではこういった予想外のことにも備える意識が必要なのだと、改めて感じました。
今思い返しても、何事もなく終わったのは本当に運が良かったと思っています。
【体験談②】高松から神戸へ。爽やかすぎる外国人カップルとの出会い
2019年秋、今度は日本でのことです。愛媛から神戸に向かう途中、高松のパーキングエリアでトイレ休憩をしていたとき、外国人の若いカップルが「徳島までお願いします」と書かれた段ボールを持って立っていました。
私たちが「神戸まで行くよ」と伝えると、彼らは満面の笑顔で「本当は神戸まで行きたかった」と。
遠くまで書くと乗せてもらえない可能性があるから、あえて“徳島”と書いたそうです。賢い!!
彼らはスペイン・バルセロナ出身で、1年かけて世界旅行をしている真っ最中。
彼女は教師、彼はIT系の仕事をしていたそうで、仕事を辞めたわけではなく、1年の休暇を取って旅をしているとのことでした。
私の車が小さかったため、二人分のおおきなバックパックがトランクにギリギリでしたが、なんとか乗せることが出来ました。
移動中は旅の話、日本とスペインの働き方の違い、文化の話などを英語で楽しく語り合いました。
スペイン人でしたが、とても流ちょうな英語を話していました。
彼らの移動手段は「基本すべてヒッチハイク」だそうで、どうしても無理なときだけ公共交通機関を使い、国をまたぐときは飛行機を使う
という自分たちなりのルールを作って旅をしていると話していました。
国内移動は全てヒッチハイク、海外は飛行機で移動という潔さに驚きつつも、その覚悟と自由さに感心したのを覚えています。
神戸の出口で彼らを降ろし、最後に記念写真を撮り、Instagramを交換しました。あのときの爽やかさは、今でも印象に残っています。

ヒッチハイクを乗せるリスクとトラブル回避の心得まとめ
ヒッチハイクを「乗せる」という行為には、やはりリスクが伴います。
私のようにたまたま何事もなかったケースでも、危険と隣り合わせであることを忘れてはいけないと思っています。
以下は、私自身が体験を通して感じた“乗せる側の心得”です。
一人のときは絶対に乗せない
→ 私は2回とも息子と一緒でした。一人では絶対におすすめしません。
直感を信じる
→ 違和感を感じたら無理をしない。それが結果的に自分を守ります。
出来るだけ日中に限る
→ 明るい時間のほうが相手の様子も分かりやすく、安全性が高まります。
最低限の会話が成立するかを確認
→ 言葉が通じなくても、意思疎通ができるかどうかは非常に重要です。
荷物や服装、雰囲気をよく観察する
→ 挙動不審な点がないか、清潔感があるかを冷静に判断しましょう。
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- 夜間の一人歩きや公共交通機関利用時
- ソロトレイルや旅行中
- 大学生や社会人女性の日常の安全対策に
- バッグや鍵に気軽に取り付けて携帯可能
軽量で目立ちやすく、いざという時に「何かがある!」と周囲に知らせられる安心感が大きな魅力です。
ヒッチハイカーに伝えたい、乗せる側からのリアルな注意点とマナー
「乗せてください」と言われる立場から見ると、ヒッチハイカーにも最低限のマナーや心得が必要だと感じました。
以下は、“乗せる気になる人”の特徴です。
- 清潔感のある服装・明るい表情・きちんとした挨拶
- 現実的な行き先を書く工夫(遠すぎる目的地は避ける)
- 荷物が整理されている(ごちゃごちゃしていると不安感につながる)
- 「ありがとう」と笑顔で感謝を伝える姿勢
- 強い香水や不明な匂いは避ける(乗る車は他人の空間だという意識を)
ヒッチハイクは旅は、一期一会!
その一瞬を大切にするためにも、お互いが安心できる方法で関わることが何より大切だと思います。
まとめ|ヒッチハイクは“信頼”で成り立つ旅。けれど慎重さは忘れずに
ヒッチハイクには、日常では得られない出会いや物語が詰まっています。
しかしその反面、乗せる側にとっては「一歩間違えば自分が危険にさらされる」行為でもあります。
私は2回の体験を通して、人を信じる素晴らしさと同時に、慎重さの大切さも強く感じました。
だからこそ言いたいのは、「ヒッチハイクは美しい行為」だけど、「誰でも気軽に乗せていいわけではない」ということ。
そして、乗せる側も乗る側も、お互いが最低限の信頼とマナーを持つことで、より安全で素敵な出会いが生まれるのだと思います。
ヒッチハイクに出会ったとき、あなたはどうしますか?
その判断が、人生の中で忘れられない思い出になるかもしれません!
ただし、安全第一であることを、どうか忘れずに。